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坂本 太士 「累の町」

2007年02月06日(火)~ 2007年02月11日(日)
12:00~19:00 (最終日17:00まで)

坂本 太士

上京するまでの二十二年間を地方都市で過して来た。
今、東京で暮らしていると利便性を始めとしての様々な事に驚かされ、そして、言い様のない違和感を覚える。
イメージとしての現在の日本は、極端に言えば「日本=東京(大都市)」という図式が成り立つのかも知れない。
しかし、改めて東京を代表とする大都市とそれ以外の都市との
関係性を考えてみると、この国の大部分を構成しているのは、
大都市ではなくそれ以外の地方都市であることに気付く。
そして、この国の今や未来を考えた時に、表立っては取り上げられにくい地方都市を見つめることは非常に重要ではないかと思うようになった。様々な地方都市を旅して撮影を進めていくうちに、それぞれの街には、言うまでもなく固有の歴史や文化があった。しかし、それ以上に、「地方都市」に共通するなにかを感じずにはいられなかった。
この作品は、これらの共通性を探る試みとして、地方都市で撮影したものから「海」を感じる場所を軸にもう一度、地方都市を再構築したものである。
かつて、そこで繰り広げられたであろう事象の破片や失われゆく人々の喧噪。今もなお、そこに暮らす人々の姿。そして、確かに感じられる「日本」。廃れゆく文化や伝統、過疎、そして、均一化した都市生活の流入。私たちの民族としてのアイデンティティをこの作品によって、立ち止まり考える機会となることを願っている。

1981年 広島市生まれ 
山口大学卒業後、日本写真芸術専門学校 築地ゼミ在籍中

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